新型フォルクスワーゲン・ティグアン(1) 銘柄1番人気のポイント解説 現行ベストのタッチモニター

公開 : 2025.05.30 19:05

当面の生産継続が明言された、VWで1番人気のティグアン ソリッドでプレミアムな車内 日常で不満なしのマイルドHV 対応力が増すプラグインHV 正確で落ち着いた操縦性 UK編集部が試乗

当面は生産継続 1番人気のティグアン

自動車の電動化は着実に進んでいても、不確実性は増えるばかり。フォルクスワーゲンのCEO、トーマス・シェーファー氏は、その不安を解消したいと考えている。ゴルフの提供を当面続けることや、「GTI」を存続させるという発言は、その一環といえる。

加えて、現行モデルの生産を継続することも明言した。それはパサートではなく、ポロでもなく、ティグアンだった。実はこのSUVは、同社で最も売れている人気者。そのため、最新のプラットフォームやパワートレインが与えられている。

フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)

ティグアンがバッテリーEVへ移行しないのは、市場の反応を受けたものだろう。プラグインからマイルドまでのハイブリッドや、ディーゼルターボなど、可能な限りぴったりな仕様を選べるよう、趣向が凝らされている。

今回試乗したのは、1.5L 4気筒マイルドHVのeTSIと、1.5LプラグインHVのe-ハイブリッド272という2種類。前者は130psか150psを選択でき、後者は203psと271psから選べる。試乗車は、どちらもパワフルな方だった。

車重削減に注力 オシが強くなった見た目 

全長はBMW X1より短く、4539mm。プラットフォームはフォルクスワーゲン・グループのMQBエボで、車重の削減にも努められた。例えば、先代の2.0TDIは1610kgだったが、1.5LのeTSIはオプション満載状態でも1606kgに収まっている。

トランスミッションは、6速か7速のデュアルクラッチAT(DSG)。オフロード用のトラクションコントロールが実装されない、市街地前提の前輪駆動がベースになる。四輪駆動をご希望の場合は、2.0LのTSIを選ぶ必要がある。

フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)

サスペンションは、前がストラット式で後ろがマルチリンク式。グレードによっては、スポーツサスで姿勢制御を引き締められ、可変レシオのパワーステアリングを組むことができる。オプションのアダプティブダンパーが、試乗車には装備されていた。

スタイリングは、従来よりオシが強くなった印象。評価は、人によって異なるはず。

ソリッドでプレミアム感のある車内

内装の質感は、フォルクスワーゲンらしく先代と同等に高い。スイッチ類はソリッドで、小物入れにも内張りがあり、高級感あるトリムが全体を引き締め、プレミアムな競争力に不足はない。このクラスで、群を抜くほどではないとしても。

15.0インチのタッチモニターが載るダッシュボードや、ドアパネルには間接照明。ジョイやラウンジなど、テーマによってカラーが変化する。ドライバーの正面には、10.3インチのメーター用モニター。試乗車には、ヘッドアップ・ディスプレイも備わった。

フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)

エアコンの操作は、タッチモニターで。タッチセンサーで温度などの変更はできるが、従来的なレイアウトやハードスイッチの方が、扱いやすいことは否定できない。溢れんばかりのデジタル技術に、現代のモデルがどこで競っているのかが現れている。

少なくとも、フロントシートの座り心地は素晴らしく、ヒーターとマッサージ機能も実装される。センターコンソールにシフトセレクターは存在せず、ステアリングコラムの右側からシフトレバーが伸びる。ライトやワイパーは、左側のレバーが受け持つ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

新型フォルクスワーゲン・ティグアンの前後関係

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